工作アイデア
子供は、「敏感期」とよばれるすばらしい時期を生きています。
それは、敏感な感受性に伴い強烈なエネルギーが溢れ出す特別な時期なのです。
この時期は、幼少期にある能力を獲得するために、環境中の特定の要素に対して、それを捉える感受性が特別に敏感になる期間です。
秩序の敏感期の真っ最中
2歳の頃は特に、秩序に対し敏感な感受性を強く持つ傾向があります。
秩序の敏感期の子供は、初めて出合う身の回りの環境を、ひとつひとつ確かめながら自分のものにしていきます。
そのため、いつもの順番、いつもの場所であること、いつもの所有物であることが重要です。
そして、敏感期に生じてくる強烈な生命力と、知性の強い自発的な力をともに発揮できるような対象に出会うと、子供は深く集中していきます。
すると、心と身体を総動員して何度も繰り返し励み、自立への道筋を歩みます。
2歳の娘との工作
自分の手を動かしたい娘と一緒に、工作をしました。
2歳の娘は手先を使うことにまだ慣れていないため、3本の指を使って繰り返し励むことができる、折り紙にスタンプを押す工作を行いました。
指先に自分の思い通りの力加減をすることは難しく、
① 親指・人差し指・中指を使ってしっかりとスタンプを持つこと
② スタンプのインクがしっかりと紙につくように数秒間紙に押し当てること
この2点を意識しました。
練習の段階では、はっきりと押すことができるときもあれば、すぐに浮かせてしまうこともありました。
しかし、何度も何度も熱心に押す中で娘なりにこつを習得し、しっかりと柄をつけることができました。
*他にも2歳頃におすすめの工作はこちら♪
子供の活動をじっくり見る
2歳になった娘は「自分でやりたい!」「してみたい!」という意思が芽生え、それと同時に今までは私がやっていた身の回りのお世話や動作に気がつき、大人のまねやお手伝いが大好きです。
しかし、意思通りに身体をコントロールすることがまだ難しく、もどかしい場面がたくさんあるようです。
ある日、息子と工作をしているとそばにいた娘が、すぐにのりを自分の手元に持っていき触ってはなにか上手くいかないようでむしゃくしゃして投げる!を繰り返していました。
「机の上に置いてね」とやさしく促すうちに、回数を重ねると「もう投げないで!」と強く言ってしまいそうになったところで娘をよく見てみると、のりの蓋を一生懸命にあけようとしている様子が目に留まりました。
娘は、のりの蓋を自分であけてみたいという気持ちでいっぱいだったのです。
そこで、蓋が固くない空の小さな瓶を渡し、「こうやって蓋をあけるんだよ」と一緒にくるくると手を動かして蓋をあけてあげました。
すると、今までののりへの執着がすっと収まり、にこにことした表情で何度も蓋をあける練習を始めました。
「自分でやりたい!」「してみたい!」思いに応える
子供の「やりたい」という思いをわかってあげることが、手助けの第一歩です。
私自身、モンテッソーリ教育に出合い敏感期の存在を知る以前は、2歳頃の息子のボタンやファスナーの開け閉め、適切な量の飲み物をコップに注ぐことなど、ひとつひとつの手を使う作業に親子で戸惑っていました。
そして私は子供の代わりにやってしまったりと、子供の自立のための手助けではない方法をとっていたのです。
しかし日常生活の中でのなにげない動作でも、やり方をゆっくりと正確に見せることで、技術を効果的に洗練させていくことができます。
子供は、自分で取り掛かりやすい状況では没頭して励みます。
また、自分で選んだことに自由に取りかかることができるということは、子供が自己の力を発揮するためにはとても大切です。
自由に選べる状況に置かれた子供は、自分で選んだものに対し、粘り強さを発揮し持続して取り組みます。
モンッテソーリ教育での成果では自由に選ぶことは、人格が成長するための活動の周期の出発点であるとされています。
また、工作などでも子供が紙をずっとはさみで切っていると、大人は「紙がもったいない」などとつい口をはさんでしまいがちです。
しかし外側からは同じように見えても、子供は繰り返す中で着実に習得の道筋を通っているのです。
そのような繰り返し熱中できる環境は、子供にとって整った適切な環境なのです。
*敏感期についてや、子供の習得への道筋についての記事はこちら♪