子供がかずに親しみを持つ  おすすめの絵本

コラム 絵本

子供には早い段階で「かずを覚えてほしい。」

そういった気持ちから、かずの教え方に試行錯誤していました。

しかし、モンテッソーリ教育の「数教材」の分野について知り、まずは身体を動かしながら知性を育くんでいくことが、かずの概念獲得へ導く鍵であることを学びました。

モンテッソーリ教育では、生活体験を通し漠然と親しんでいる数量に対して、体系的に学んでいくことができます。

そして、自分の手を使って感覚の刺激を受けながら、かずに親しみを持って論理的に認識することができます。

「数教材」とは

モンテッソーリ教育の教材の中に「数教材」という分野があります。
数教材はただ単にかずを唱えるものではなく、数量が具体物で表され、手で扱えるようになっています。

それは、「量」「数」「順序」「幾何」などの構造を目でしっかりと捉え、手による活動と一緒にかずの法則を自ら発見し、そこから自発的に展開していくことを目的としています。

人間の活動には、「分析」「集合」「対応」「比較」「系列化」といった数学的構造があります。

子供は数教材に触れ、目と手の動きによってこの数学的法則を発見することができます。
子供は「分けたり」「集めたり」している時、知性を生き生きと働かせているのです。

そして、これらに持続的に取り組む中で、子供は動くことによって学び取っていきます。

数学的思考が身につく

数教材に馴染んでいった子供は、なにかの計画を立て実行する際、考え方や物事の処理が数学的思考になります。
それは必要な要素を分析し、順序立て、段階付けて実行することができるということです。

なぜかというと、幼少期に培った手仕事の中に「分ける」などのメカニズムが含まれていたからです。この幼少期の経験が学び取る力を形作っていたのです。

また幾何学的直観力が備わり、「中心を見抜くこと」や「等分」「均衡」を正確に見極めることができるようになります。
それは、モンテッソーリの感覚教育でわずかな差異や対照性に馴染んでいたためです。

かずに親しみを持つ絵本

息子が1~10の数字を覚える際に、「1,2,3,4、10!」など、順番に数が増えていかないことがありました。
それは、息子の頭の中では数量と数字が一致しておらず、ただ暗唱のように数を覚えようとしていたからでした。

そこで、視覚などの感覚の刺激を受けながら、かずに親しみを持って知性を育んでいく方法がないかを模索していました。


そんな中、目でかずの構造をしっかりと捉え、楽しみながら「かずの概念」を発見できる手助けになる素敵な絵本に出会いました。

この絵本で息子は数量と数字の増減を目に見える形で体感し、かずに対する規則や変動の感覚を養うことができました。
そしてこの段階を踏むことで、以前よりもスムーズに「かず」に取り掛かりやすくなりました。

まさに、はじめて触れる「かず」の絵本にぴったりなおすすめな絵本がこちらです。

五味太郎作「かずをかぞえる
出版社  玉川大学出版部 
発売日 2008年4月

この絵本は「かずの概念」を丁寧に描く絵本で、「算数」の本ではありません。

かずの概念の基本が、わかりやすく、そして五味太郎先生の親しみやすい優しい絵で楽しめるように描かれています。

数字、指でのかぞえ方とその形、具体的なかぞえ方(1わ・1りん・1ぴき・1ぽんなど)、数量を丸の数で表すなど、「かずをかぞえる」ことは実に複雑なことです。

しかし息子は、絵が増えていきたくさんの生き物の絵が並んでいるのを見て「たくさんいる、多いんだ」と数量が増えていくことをはっきりと理解しました。

この絵本を繰り返し読むと、生活体験を通し漠然と親しんでいる身の回りのもののかずに関する概念、ものを数えるということに対して、その規則や変動、量をだんだんと感覚的に実感することができます。

2桁のかずも、10のかたまりがいくつで、はんぱがいくつで…と、かずの構造を視覚で教えてくれます。

そして「0」は「ひとりもいない、1つもない、1ぴきもいない」と、0の概念も視覚的に実感できました。

2歳になった娘にも、かずに興味を持ったらこの絵本で楽しみ、かずの概念や構造に親しんでいってほしいです。

*他にも、五味太郎先生のお気に入りの絵本や、子供が頭を使うカードゲームを紹介しています♪

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