モンテッソーリ教育とは


モンテッソーリメソッドのような特別な養成教育を受けなくても、子供の傍らにいてじっくり子供を見ることから、お家でモンテッソーリ教育をはじめることができます。

「子供のいちばん近くにいるひとが、子供の専門家」なのだと、当教育法を確立したマリア・モンテッソーリは言います。

モンテッソーリ教育とは

子供には生まれながらに自分を育てる力(自己教育力)が備わっているとされています。

モンテッソーリ教育とは、この子供の内在力への信頼と尊敬を根幹とし、子供の自発的活動を通して、子供の自立を目指した教育です。

しかし、自分で取り組めるような整った環境や、その環境に関わるための方法を知らなければ、子供は自分の力を存分に発揮させることはできません。

モンテッソーリ教育では、自分の力で何かをしたいという成長へのあこがれを持つ幼児期の子供を適切な環境に置き、その成長を手助けしていきます。

子供の興味や発達段階を私たち大人が正しく理解し、子供がやってみたいと思う環境を適切に用意することで、 子供の中に潜んでいる力を目覚めさせ自発的活動を促すことができます。

知性や意思を働かせて手を使う機会に触れた子供は、心ゆくまでその活動に没頭し、やり遂げた後は晴れやかな顔で体中から充実感が溢れます。

自分でできた!」という充実したエネルギーを持つと子供は自分の落ち着きやペースを大切にします。

適切な環境とは

子供が自分の力を発揮できる適切な環境

子供にとって適切な環境とは、子供が自分で取り組めるように大人が整えた環境です。

整った環境下では、子供が自分で取り組むことを通して自立の土台となる機能を完成できる手助けがなされています。 

整った環境で重要なポイント
  • 正確にすることができる。
  • 繰り返しすることができる。

子供は正確さを意識して動くことに興味があります。目的にかなう秩序のある動き方を知りたいのです。

そして子供の機能の完成には、一回だけの経験ではなく繰り返し何度も同じことをやり抜くことが必要です。

大人はこれらのポイントを押さえ、子供にとって手ごろな大きさや重さで、同じことを心ゆくまで繰り返し全力でやり通せる教材や材料を準備していきましょう。

そしてそれらは常に一定ではなく、発達の段階に対応した動作や技術を身に着けることができるように配慮し、整備し続けることが必要です。

どのように準備するか

必要なのは、子供の機能の完成を可能にする道具や空間です。

準備のポイント
  • ひとりでできるようにセットする。
    (繰り返し自分でできるように、また教材の量を制限しておく)
  • 子供のサイズにする。
    (身体にぴったりあったもの)
  • 決まった場所におく。
    (子供が自分で取れる場所)
  • 不要なデザインがなく目的の動作がよくできるものにする。
    (デザインに注目がいくと、子供の興味が拡散して深い作業をしなくなる)
  • 基本の段階では同じマークのものや同じ形に揃える。
    (取り掛かりやすくなる)

これらを準備する目的は、子供が自立できるようにするためです。
整った環境では、子供は自分で選ぶことができます。子供は、自分が選んだものには持続して取り組みます。

整った環境ではさらに、自分で考えながら実行できる構造が準備されています。
その構造とは、分類する、集合する、比較する、連続させる、等分するなどの動作が誘導される構造です。
これらの動作は子供たちを自発的・持続的に活動させるだけでなく、自ら学び取る力を育てていきます。

どのように援助するか

子供の「やりたい」という思いをわかってあげることが、手助けの第一歩です。

そして、子供の自立には「これをしなさい!」とただ自立を促すのではなく、自立していくプロセスでやり方を正しく大人が示して援助することが必要です。

やり方を知ることは、子供が環境に関わるための方法になります。
なぜなら、子供は自立のために動き方を自分のものにする方法を知りたがっているからです。
そのため、どう動けばよいかを大人が正確に示すことが大切です。

子供は環境に関わりながら、活動自体によって動き方を学ぶと同時に、学び取る力を育んでいるのです。 
子供は動きながら学び、自分を作っていくのです。

やり方を示す際のポイント
  • 動きで見せる。
    (動きの観察に集中させるため、ことばは最小限に)
  • 動きを細かく分析して順序立てて見せる。
  • ゆっくり正確に見せる。

自立のプロセスで大人は子供に基本となる動作を心ゆくまでやる経験を与え、その中で意識してすることを促すことが大切です。

例えば、指の先までしっかり伸ばすなど、その活動が有効にできるためのポイントをそのポイントだけは何回繰り返すときも必ず押さえるということが意識させるということです。


そして、正確に実行するように促すことがこつです。なぜなら、正確さそのものが子供の興味をそそるからです。

さらには、正確にすること自体が努力を持続させる支えとなり、「もっと正確にしよう」という自発的な行為を導いていくのです。

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