子育てブログ
息子の「お仕事」
息子が通う幼稚園は、モンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園です。
幼稚園では、子供たちが行う活動を「お仕事」とよんでいます。
息子は幼稚園でひとりひとりの成長の段階に合った教材を使ったお仕事をし、モンテッソーリ教育を反映した作品をいつも作ってきます。
当サイトで紹介している工作は、その幼稚園での作品をもとに、私が子供の興味や意欲にさらに寄り添ってお家で実践したものです。
息子は入園当初、手先を使うことが得意ではなく、スモックのボタンを自分でひっかけることができませんでした。
そこで、幼稚園の先生が、まずは集中的に手先を使う教材のみを息子が毎朝取りかかるために選んでくれました。
それが、印のついたところへシールを貼るお仕事や、紙に穴あけパンチで印に穴をあけるお仕事、線に沿ってはさみで紙を切るお仕事でした。
日常生活に表れた変化
手先を使うことに慣れていない息子にとって、まずシールを台紙から剥がす作業は難しく、「手伝って!」ということがしばしばのようでした。
ですが1ヶ月ほど毎朝繰り返しそのお仕事に試行錯誤して励むことで、少しずつ自分の思い通りに指先が動くようになってきたようです。
手先の動きが以前より器用になったことで、日常生活での動きにも変化がでてきました。
ボタンやファスナーの開け閉めなどでは、「手伝って」よりも「僕、できる!」とこちらが手伝おうとするのを阻止し、自分でやろうとします。
また手先の力加減ができるようになり、水道の蛇口をひねって適切な水の量を出したりと、様々な場面で成長を感じ取れるようになりました。
心の平和に繋がる「お仕事」
驚いたのがはさみを使ったお仕事でした。
幼稚園から帰ると「まだお仕事やりたい」と言ってきた息子に、「お仕事なにやりたいの?」と聞くと、「はさみを使いたい!」と言ってきました。
私は、お家ではさみを使わせたことがほとんどなかったため内心ヒヤヒヤな気持ちでしたが、幼稚園の作品ではさみを使ったものがいくつかあったため、試しにはさみと折り紙を渡しました。
すると、手慣れたかまえで「チョキン!」「チョキン!」と切り始め、集中してその作業に没頭していました。
ひたすら折り紙を切り進め、切り終わると晴れやかな表情で「できた。」と言い、私はそのやりとげた顔に息子の心の充足感を感じました。
深いレベルで心が満たされた息子は、素直で落ち着きを取り戻している様子です。
子供がひとまわり大きくなるのは、なにかが「終わった!」「できた!」という実感を味わったときなのです。
「お仕事」 は自立への道筋を与える
私は、この手先を使うお仕事を入園当初に集中して取り入れたことは、その時期にその子に必要な技術を見極め、その吸収のために適切な環境(=お仕事)を与えたということだと思いました。
ボタンが上手くできないといった苦手な部分をひとつひとつなおそうとするのではなく、その時期に息子が心と身体をひとつにして活動できる(動きながら学べる)環境を整えることが大切でした。
*以下の記事では、子供が動きながら学ぶこと について詳しく記載しています♪
まわりの子ができる動作ができていないと、なんでうちの子はできないんだろうとの焦りから、日常生活の中で息子に対していらだち、「はやくして!なんでできないの!」とついせかしてしまうことは頻繁にありました。
ですが、「息子にとって必要なのは手先を使うことへの慣れなんだ!」と気づいてから、家でも楽しみながらそして心ゆくまで手先を動かす機会を与えたいと思い始めたのです。
子供が成長するためには、子供が良い状態に変わっていくための道筋があり、大人がその道筋を理解し、援助することが大切です。
そこで、幼稚園で取り扱っている教材をもとに、さらに子供の興味や知性をわかせるテーマや工夫を探りながら親子で工作を始めました。
そんな工作は、子供の成長に寄り添ったお仕事の延長でもあり、日常生活や社会での自立に繋がる機会なのです。